栗林みな実 miracle fruit 奇跡のレビューキャンペーン

栗林みな実の10周年に届けられた5年ぶりのオリジナルアルバム。
オタクでありシンガーソングライターの栗の子の集大成のアルバム。

miracle fruit

miracle fruit

『miracle fruit』
全曲作詞作曲というコンセプトのもと、
シングル「冥夜花伝廊」やキラーチューン「STRAIGHT JET」も収録
せず完全オリジナル曲で勝負する所に拘りが。
  
  
年度末で業務に追われていることもあり
全曲、とはいかないまでも、レビューを簡単ながら。
   

『miracle fruit』
表題曲。畳み掛けるようなコーラスで荘厳な雰囲気を作っている曲。
本人が作る表題曲は「passage」「fantatic arrow」のように
癖のある曲が多い中で、その路線を踏襲しつつもキャッチーでパワーのある曲。
間奏が圧巻です。
詩についても

「上手に飛べないときもある ね、何かひとつ捨てていこう」
「生き方が景色を変える…」

と10年の重みを感じる言葉たちが並びます。
 
『secret moment』
イントロからギターが冴え渡る栗林みな実のダークロック。
本人としてはかなり珍しい曲調。
「immature」を思い出させるような。
自身初のドロップC#チューニング曲。
飯塚さんが赤ちゃき(RODEOholic FLAME ROSE BLOWN)で
そのままレコーディングしたんじゃないかっていうくらいw
栗林×飯塚黄金コンビの曲は今作ではこれのみ。
それ故か飯塚節が全面に出ていてアルバムでは異色な感じ。
  
 
『stage』
ピアノベースな曲。
ドハマリだったんでアルバムを通して聴くのを一旦やめて
この曲をループしていました。
本人の中では珍しい曲調ですが、
待っていた!というくらいお洒落で素直な曲。
間奏のピアノソロとギターソロがまたカッコいい。

「消えない経験 静かに痛み、叫ぶの
忘れたはずの my bad memories
人はね、記憶で息をしているの
振りきる勇気を 手にいれたら
さぁ 次のstageへ…」

「確かな運命 反対を選んだのに
導かれるの beautiful soldier
誰もが孤独に戦い続ける
生まれた瞬間始まってる
それぞれのstageで」
 
 
『Beautiful Blaze』
分かりやすくカッコいい曲。
カードゲームとのタイアップということも意識しているだろうが
いわゆる昨今の王道アニソン。
「miracle fruit」も「secret moment」どちらも
癖のある特徴的な曲なので(この二曲こそが栗林みな実だとは思うが)
普通のアニソン好きにはこの曲がキラーチューンになりそう。
合間合間のベースがとってもカッコいい。
アニソン好きホイホイといった感じだが
素直にホイホイされたい曲。
 
『虹色の永遠』
君らじメンバーへの絆の曲。

永遠なんてないけれど
いつか今をふりかえる日まで
10年後も、20年後も…
その先もいられたらいいね
ずっといっしょに…

 
 
発表直後は本人作詞作曲ということで大いに期待。
その後にクレジットが選考発表された時は
Elements gardenによるアレンジが多く正直不安があったのも本音です。
  
エレガ節は「味の素」のようなもので、鉄板なんだけど(笑)
栗の子曲には合わないというか、
合ったとしてもやってほしくないというか。
オリジナルアルバムでは、どうかなと。
  
何より長年コンポーザーをしてきた飯塚さんの不在。
  
個人的に不安材料も多い中で届けられた新作は
なんてことはない、
予想以上にパワフルな名盤でした。

ラクルの日(3月9日)に届けられた作品は、 
奇跡の歌姫、10年の軌跡がギッシリと詰まったアルバムでした。
  
高校時代、浪人時代、大学時代。
いつも傍に居た音楽たち。
2年前のミラクルの日に、自分にも厳しい現実が襲いました。
それを乗り越えられたのも彼女の楽曲の力です。
 
 
東北地方太平洋沖地震から三週間程が経過しました。
人生色々あるんだろうけど。
生きている間は。

10年後も、20年後も、
みな実さんの楽曲が人生に虹色の彩りを
与えてくれることを切に願います。


2011年3月31日 ささみ